【東京校】月島・スタジオワンダーウォールにて特別授業!プロフェッショナルが使うマイク&スタジオ設備を体験!

サウンドクリエイター専攻の在校生(以下、メンバーと呼びます)が、月島の「スタジオワンダーウォール」様を訪れました!

こちらは、1社占有で利用できる、プライベート感を重視したMA・録音・映像編集スタジオ。さまざまな広告制作(CM・web movie・VPなど)で使用されています。

 

 

引率するのは、梶野俊夫講師。1990年にカプコンに入社され『ロックマンX』シリーズのサウンドなどを手掛けられました。現在は(有)audio studio響代表取締役社長としてご活躍されています。

 

<スタジオの種類は?>

「スタジオの用途は、大きく分けて、

1.ポストプロダクション

2.音楽録音

3.フォーリー

があります。

 

 

ポストプロダクションとは『ポスプロ』とも略され、映画、放送、CMの撮影終了後に行われる作業の総称です」と説明するのは、株式会社スタジオワンダーウォール サウンドデザイナー野呂博さん。

フォーリーは映像を再生しながら、それに合わせて動作音を録音する手法のことだそう。

 

 

<ブース内を見学!>

 

メンバーは、録音で使うブース内に入り、見学させていただきました。

野呂さん「このブースには、最大4本のマイクを立てることができ45名でのアフレコ作業に対応出来ます。

『カフボックス』は、ナレーターがマイクのオンオフに切り替えることができる機材です。また壁は音響反射面があり、録音する際の音の響きを調整できます」

ブースには『キューボックス』もありました。

これは、歌手や演者さんが個々にモニター音量などのレベル調整ができる、小型ミキサー付きのヘッドフォン・モニタリング・システムのこと。

 

 

<マイクの種類を知ろう>

机の上に、ズラリと並べられたマイク。

野呂さん「マイクは、目的によって使い分けます。」と一つひとつ解説。

シルバーのマイクは、NEUMANN(ノイマン)U87」で、細長いものはSENNHEISER(ゼンハイザー)「MKH 416」。SONY「C100」は高い音と低い音を別の集音部(ダイアフラム)で収録出来るマイク。SHURE(シュア)「SM58」はライブ等のボーカルハンドマイクでよく見ますね。

AKG「C100」はステレオペアで揃えてるそうです。

どれも業界ではメジャーなマイクなのだそう!

また撮影現場で使用するラベリアマイクDPA6060」とSENNHEISERMKE2」も見せていただきました。

 

 

<単一指向性と無指向性とは?>

野呂さん「U87C414は指向性の切り替えができ、普段は『単一指向性』で使用することが多いですが収録方法・内容によって『無指向性』『両指向性』に切り替えます。

『単一指向性』は特定の方向からの音が拾いやすい性質を持っており、それに対して『無指向性』は全周の音が拾えるのが特徴です」と説明します。

「マイクは精密機械だと思いますが、演者さんの汗などは大丈夫なのですか」と、在校生からも質問が。

野呂さん「通常作業では大きな問題はないですが当然良くないです。例えば以前の撮影現場で演者さんが汗をかく演出でスタッフが霧吹きで水をかけており、僕は慌てて衣装下の仕込みマイク(ラベリアマイク)を外してもらいました」と説明。

また使用後は専用の乾燥保管庫(デシケーター)で保管します。

 

<業界標準ともいえる「Pro Tools(プロツールス)」>

野呂さん「仕事では、『Pro Tools』を使っています。『Pro Tools』はAvid Technology(アビッド・テクノロジー)社が設計開発するDAWDigital Audio Workstation)ソフトウェア及びそのオーディオシステムのこと。『Fairlight(フェアライト)』等の専用機が登場した後、PCベースで使用できる『Pro Tools』に人気が移行していきました」

 

 

<実際に録音してみよう!>

 

ある映画のシーンを再生し……

梶野講師「この作品は、フォーリーで音をつけています。

皆さんが2年生に進級し、就活を始めると、企業にMA作品を送る機会が増えると思います。どうしたら、いちばん楽に音をつけられるか?その参考にしてみてください」

モニターに表示されたのは、サウンド専用のタイムコード。音付けをしていく際の計画表です。作成する際は、背景音、足音(どのような靴を履いていて、地面は何の素材なのか)、風の音など、細かく必要な音を洗い出し、書き込みます。

梶野講師「これを書くと、曲を書く人と、フォーリーを取る人とで役割分担していても、どこからどこまで曲が必要なのかが分かります」とアドバイス。

マイク「MKH416」を使い、「コンクリートをスニーカーで歩く音」の録音にもチャレンジしました!衣擦れの音が入らないよう、梶尾講師は、ズボンの裾と靴ひもにガムテープをグルグルに巻き付け固定するテクニックを披露しました。

 

 

3時間にわたる特別授業を終えて……

高橋さん「普段、画面上でしか見たことのないプラグイン※2が、実際にあるのが不思議です!カーソルで動かすのではなく、実際にツマミで操作できることが新鮮でした」と嬉しそう。

プロフェッショナルの現場を体験し、最新の知識を身に着けておくことで、就職や独立した際も、スムーズにお仕事ができそうですね!

 

 

1 MA……マルチオーディオの略語で、映像に合わせて音を作ること。

2プラグイン……エフェクターや楽器音源などのソフトウェアを指す。

Special Thanks

スタジオワンダーウォール様

http://www.s-wonderwall.jp/

 

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