UNLIMIT ゆらりまん選手×Yonaコーチ 特別対談| 世界一になった二人が語る、バンタンから目指すプロゲーマーの未来
2026年7月11日、フランス・パリで開催されていた「Esports World Cup 2026(EWC 2026)」の『Apex Legends』部門「ALGS Year 6 Split 1 Playoffs」にて、バンタンゲームアカデミー卒業生のゆらりまん選手が所属する『UNLIMIT』が優勝。世界一に輝いたこのチームを率いるYonaコーチは同校の講師も務めています。日本人選手のみで構成されたチームが、「ALGS」の国際大会で初めて優勝したことを記念し、特別対談を実施しました
諦めないでやり続けるしかない
「何回も諦めそうになったけど、諦めずにずっとやり続ける。夢を叶えるためには、その心が本当に大事だなと思います」。
世界一を達成したゆらりまん選手に、「この快挙を成し得るために大切だったことは?」と聞いた答えです。学生時代から講師として、彼の姿を間近で見てきたYonaコーチもこの言葉に深く頷きます。
「世界一もそうですが、プロになるのは無理かもしれないと諦めてしまう学生も多いんです。だからこそ、ゆらりの話す言葉の通り。“諦めないでやり続ける”が大切ですね。やり始めは楽しいけれど、だんだん楽しさはなくなってきます。格闘プロゲーマーの梅原大吾さんが、『飽きるときは、成長しない自分に飽きている』と話した言葉のように、うまくなるためにはやり続けるしかないんですよね。それが上達する、プロになる、夢を叶えるための一番の近道だと思います」と続けます。
常に変化し続けることが強さに変わる
諦めずにやり続けた結果、辿り着いた世界一。この偉業達成の裏側には、実は知られざる努力や困難にも立ち向かっていました。
「日本予選では、自分たちがもともとやっている動きをすれば確実に1位を獲ることはできると思っていました。けれど、この戦い方では世界できっと通用しない。照準を世界一に向け続け、予選
からそのための練習に切り替えて戦うことは難しかったですね」とゆらりまん選手は話します。
Yonaコーチも「実際に札幌市で開催された「ALGS Year 5 チャンピオンシップ」では10位で終わりました。これまでの戦い方とは異なる、他のムーブの練習をしないといけないねとなりました。その小さな変化をチームでコツコツと。それこそプロリーグでも試してみたり」と話せば、「世界と日本を比べると差は確実にありました。だからこそ日本予選で世界を見据えたのですが、同じゲームでも違うゲームをしている感覚に陥るというか…。そのあたりは本当に難しかったですね」とゆらりまん選手も話します。
そうしたチャレンジを続けた先に得た世界一という称号。これまで体験したことはなかったと照れるように話すYonaコーチは、世界一に輝いた瞬間、気づけば涙がこぼれていたそう。ただ、この喜びを噛みしめる時間は短く、2人はすでに先を見据えていました。
「世界一になってしまったからこそ、変化し続けていかなければいけないと考えています。このままでいいじゃん、という感覚は良くないですよね。停滞しないよう、常に前へ、常に先へと進んでいく必要があるんじゃないかな」。サラリと質問に答えてくれたYonaコーチとは対照に、困り顔をしながらこの質問への答えを考えていたゆらりまん選手。
「正直なところ、難しい質問ですね。Apexもそうですが、ゲームはアップデートで環境が一気にガラリと変わります。それに適応しつつ、自分たちの強みをしっかりと出していくことが大切なのかな、とは考えています」。そう話す強みとは一体どのようなところにあるのだろうか
失敗から、成長の道を探す
「ゆらり自身は好不調の波が少ない選手。練習の成果をしっかりと本番で引き出すことができますね。世間一般でよく言われているのは火力がある、フィジカルが強いという評価。けれど、ゆらりはそこじゃない。頭が良いプレイ、メカニクスがちゃんとしているプレイヤーなんですよ。だからこそ火力が生きるというのがチームの共通認識です。学生時代からゲームIQは高いなという印象で、どのゲームをやっても最高ランクには到達するだろうと思いながらプレイを見ていました」。
億面もなく褒めるYonaコーチの言葉を前に、少し照れるゆらりまん選手。そうした評価は、学生時代に培われたものかと聞けば答えは意外なものでした。
「そう言われることは本当に嬉しいです。けれど、こうして褒めてもらえる僕があるのは、学生時代にYonaコーチからいただいた言葉のおかげなんです」。
『Apex Legends』の日本国内での対象年齢はCERO D(17才以上対象)。同学年の生徒たちがゲームを始めるなか、早生まれのゆらりまん選手は、誕生日の関係で約1年遅れてゲームを始めることになりました。
「実はその時期、自暴自棄になっていました。他の学生はすでにやり始めて経験の差ができているうえ、実際にやり始めてもうまくいかない。まったく上達する気配もない。もうやりたくないな…、と思うことさえありました。そのときに、Yonaコーチに説教というか、助言をいただいたんですよ」。
当時のことを覚えているのかYonaコーチに聞けば、照れながら「なんていったかは覚えてないけど、けっこう長文のメールを送りましたね。なんだかうるさいおじさんだなぁとは思いつつ、文面を考えていました」と振り返ります。
「熱いメッセージでしたよ。実際に、このメールが僕のターニングポイントとなっています。なんのためにこの学校に来たのかを改めて考え直すことができ、真剣にゲームと向き合うようになりました。それこそプログラミングされたコンピューターのように、1日に10時間以上。ようやく生活の一部にゲームが組み込まれましたね」。
まさに修行僧のような日々。約2年前の出来事からいままで、その暮らしぶりは変わることなく他のゲームも一切触っていないと話します。
「プロゲーマーと呼ばれる周りの人たちは、本当に努力をしています。だからこそ、周りの努力以上に努力をする。それが僕の考えるプロゲーマーとしての姿」。
失敗したときは、「ゲームをやっていても数時間程度。それでは成果が出なくて当然」と考えることができたからこそ、世界一のプロゲーマーに到達しました。
「天才という言葉が使われた人間は、才能以外の部分を覆い隠される。福原愛さんの言葉ですが、ゆらりも本当に努力型のプレイヤー。自分は才能がないからと話す学生も多いのですが、天才と呼ばれる人は努力をしている。そこは知ってほしいし、伝え続けたいことではあります」とYonaコーチ。
多くの才能あるプレイヤーと出会い、努力を続ける難しさも知るYonaコーチの言葉は、いまもゆらりまん選手を鼓舞し続ける力になっています。
「だからこそ、失敗した出来事は自分に足りないもの、ことを知る機会になりますよ。たくさん失敗してくださいね」と締めくくってくれたゆらりまん選手。
この対談の様子をまとめた動画が、後日webサイトで公開予定です。
こちらも楽しみにお待ちくださいね。