ただがむしゃらに描く、作るだけではダメ

プロの漫画家やイラストレーター、デザイナーを目指す人は誰でも絵がうまく描けるようになりたいし、美しくてカッコいいデザインが作れるようになりたいと思いますよね。でもそれはプロを目指している人だけのものではなく、実際にプロとしてイラストやデザインの仕事をしている人も同じように思っていることです。

デザインやイラストの仕事において現状に満足する、という人がいればクリエイターとしてはあまり望ましい姿勢ではありません。現状に満足してしまったらそこで成長が止まってしまいます。もっと絵がうまくなりたい、とかデザインがうまくなりたい、という気持ちは良い仕事を続けていくために必要なモチベーションの一つです。それを失ってしまえば、クリエイティブな仕事ではなく、ただのルーティンワークになってしまうからです。

5つのポイントを抑えて上達の道へ
では、どうやったらイラストがうまくなるのか、デザインがうまくなるのか。ただがむしゃらに何も考えず、ルールも決めず、描きたいだけ描く、我流を貫くといった方法では期待どおりの成果は出ないと思います。

そこで今回はイラストやデザインがうまくなる方法を5つのポイントでまとめてみました。

ポイント① 毎日絵を描く(毎日デザインを作る)

5分~15分でも構わないので絶対に毎日絵を描くことを習慣にしてください。ただ何も考えずに描くのではなく、手だけを10パターンとか、人物を3体とかできれば週ごとに、上達したい内容を決めて、課題や目標を設定しておくと良いでしょう。自分の苦手なものを中心に、とにかく描くことに慣れます。

デザインの場合も同じで例えばWEBデザインであれば、ボタンのバリエーションを5個ずつ作る、背景バリエーションを3枚作るといったふうに、デザインのパーツでいいので毎日作りましょう。

ポイント② 漫画を読む(イラスト、デザインを見る)

好きな漫画家や作家、デザイナーの作品をどんどん読んで、見て研究しましょう。セリフの言い回し、構図、ストーリーの作りかた、作り手の考えをなぞるように見てください。読んだら次々と作品を変えてもいいですが、同じものを何度も見ることにもチャレンジしてみてください。1回目には気づけなかったことに気づいて、2回目3回目とより深くその作品が理解できるようになります。より深いインプット(気づき)は、自分のアウトプット(表現)に良い影響を与えてくれます。

ポイント③ 模写をする(模倣をする)

好きな漫画やイラスト、デザインを模写(模倣)します。
この絵は、構図はどういう意図で描かれたのかを考えながら、上手な人の作品をトレースしていくだけで自分にはなかったアイデアや気づきが得られます。単純に描き方のわからなかった体のパーツなども、これで習得が可能ですね。同じような自分の絵を描き続けるより、最初はうまい人の絵を模写するほうが効率的に上達します。デザインも同じで、自分が真似したいなと思えるカッコいいデザインを見つけて、それを模倣してください。マージンの取り方など、基本的なこと細部へのこだわりなど学びは多いはずです。これを1か月も続けると、上達していることが目に見えてわかると思います。

ポイント④ やる気を継続

カンタンなようでいて、一番難しいかもしれないのがこのやる気を継続させること。継続させるコツとしては、自分の描いたもの、作ったものを他人に見せること。見せあって評価し合うことでモチベーションの維持、さらにより高い目標を持つことにもつながります。最近ではインターネットのSNSなどで、そういった作品を見せる場所もありますので積極的に利用しましょう。

もう一つは短時間で続けることです。やっていくうちについどっぷり長時間描く、というのももちろん悪くはないのですが、続けることをまず目標にしたいので毎日少しの時間、5分とか10分とか、現実的な時間設定でやってみてください。

ポイント⑤ 細部へのこだわりを持つ

「神(「美」とも言い換えられます)は細部に宿る」とはクリエイティブな世界ではよく言われる言葉です。全体をひとまとまりに美しく見せるために必要なのは細部へのこだわり、という意味です。作品の世界観を作るのは何でしょうか。どんな大作、名画と呼ばれるものでも絵自体は一つひとつのパーツ(部位)が組み合わさってできています。そのパーツのバランスや形が拙いと、全体としてもまとまって見えないのです。イラストやデザインを作っていると、途中でバランスが難しいと感じたり、何が「正解」の形なのか、というのがわからなくなったりすることもあります。そんなときに適当に、おざなりにごまかしてやり過ごしてしまう癖をつけてしまうとよくありません。「神は細部に宿る」という言葉を思い出して、難しくても自分なりの「答え」を見つけられるよう頑張ってくださいね。

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