キャラクターデザイナーとは、アニメやゲームに登場する人物のデザインをする職業のことです。そんなキャラクターデザインの仕事内容に迫ります。またキャラクターデザイナーに必要な資格やスキル、どんな人が向いているのか確認しながら、キャラクターデザイナーになるための方法を解説します。

世の中には数多くのゲームやアニメが存在し、その中にはさまざまな登場人物が出てきます。そんなゲームやアニメのキャラクターを生み出すのが、キャラクターデザイナーです。登場人物は、ゲームやアニメのストーリーを左右する大切な存在。そのため、単にイラストを描くだけでなく、そのゲームやアニメの世界観やストーリーに合ったキャラクターを作る創造力が、キャラクターデザイナーには必要です。ゼロの状態から、まったく新しいキャラクターを作り上げることはクリエイティブな仕事であり、とてもやりがいを感じられる仕事でしょう。

キャラクターデザイナーとは

キャラクターデザイナーとは、アニメやゲーム、企業広告などに登場するキャラクターを創作する職業です。作品の世界観にあわせ、主人公やヒロイン、ライバルなどの人物、モンスターや動物といった多種多様なキャラクターのデザインを手がけます。

原作がある場合、既存設定のイメージを壊さないデザインスキルが求められ、オリジナル作品の場合、顔・髪型・体型・服装・性格など、キャラクターの基本設定から作り出す独創性や想像力が不可欠です。また、劇中に登場するロボットやマシン、アイテムなどのデザインも担当します。このように、作品の顔ともいうべき魅力的なキャラクターを生み出す重要な役割を担う仕事がキャラクターデザイナーなのです。

キャラクターデザイナーとイラストレーターの違い

キャラクターデザイナーと混同されやすい職業に、イラストレーターがあります。どちらも作品の世界観を具現化するために「キャラクターを描く」という職業です。

しかし、基本的にゼロから創作できるキャラクターデザイナーの仕事と比較した場合、イラストレーターの仕事は、その大半がディレクターやプランナーの意向を受けやすいため、表現にも制限がかかりがちになります。つまり、デザインの自由度に違いがあるといえるでしょう。

キャラクターデザイナーの仕事内容

多くの場合、プランナーなどがゲームやアニメの中のイメージを作り上げ、それをビジュアル化していくのがキャラクターデザイナーの仕事です。プランナーと相談しながら、キャラクターの顔、髪型、服装、持ち物から、表情、身長、体重などまでを設定。それをもとにキャラクターを作り上げていきます。アニメのキャラクターを作る場合は、背景デザインやアニメーターと兼務する場合も多いです。

キャラクターデザイナーの仕事の流れ

キャラクターデザイナーは、アニメやゲームなど、作品の人気に大きな影響を与える重責を担った職業です。

ここからは、キャラクターデザイナーの具体的な仕事の概要や流れを見ていきましょう。

流れ①ラフデザインを描く

まずは、企画書に基づき、キャラクターのラフデザインを描きます。

企画書とは、作品の世界観や各種設定、構成などの情報・アイデアをまとめた文章です。おおまかなデザインを描き出し、そこから修正や加筆を加え、作品のイメージと違和感のないキャラクターを作り上げます。数多くの表情やポーズが必要になるため、ひとりのキャラクターだけでも、数点~数十点の絵を描くことも珍しくありません。

流れ②ラフデザインの清書

ラフデザインが描き上がれば、その清書に入ります。

キャラクターの顔・体型・髪型をはじめ、衣装・アイテムなどを細かく緻密に表現し、作品の世界観に沿った忠実なキャラクターデザインを完成させなければなりません。また、さまざまな動作や角度、喜怒哀楽の表情と同時に、性格や色彩などの指示書もここで書くようにします。

流れ③デザインのデータ化

近年では、清書したデザインをデータ化するのも、キャラクターデザイナーの仕事です。

おもに、画像編集ソフトなどを使い、完成したキャラクターデザインをデジタルデータに落とし込み、それをクライアントに納品します。そのため、画像編集ソフトの操作スキル習得は必須です

キャラクターデザイナーのやりがい

やりがい①新しいキャラクターを生み出せる

キャラクターデザイナーのやりがいは、新しいキャラクターを創作できることです。

アニメやゲーム、企業広告において、その看板になるキャラクターは、作品の人気や知名度を大きく左右するほどの存在です。良くも悪くも視覚的なインパクトが強いだけに、クライアントやユーザーの批評や重圧がダイレクトに伝わる職業といえるでしょう。

しかし、世に愛され、賛美されるキャラクターを生み出せば、その達成感や感動は何ものにも代えがたい喜びとなります。

やりがい②既存キャラクターに色付けができる

すでに存在しているキャラクターに、新たな魅力を加えられる楽しさも、キャラクターデザイナーのやりがいです。漫画や小説などに代表される既存キャラクターの色付けは、原作を支持するユーザーの批評が厳しくなるため、ゼロの状態から創作するよりも困難といわれています。

この産みの苦しみを乗り越え、新たな要素の追加や表現方法を好意的に評価されれば、キャラクターデザイナーとして大きな自信につながるはずです。

キャラクターデザイナーになるには?

キャラクターデザインに関わる企業には、アニメプロダクション、ゲーム会社などがあります。キャラクターデザイナーになるには、まず美術系大学やゲームやアニメの専門学校に進学してから、それらの会社に就職するのが一般的です。就職をする際には自分の作品集としてポートフォリオを企業に提出する必要があり、自分がどんなデザインが得意か、また、その会社の作風にあっているかを伝える必要があります。

キャラクターデザイナーに必要なスキル

1.基礎画力

キャラクターデザインをする上で人物を描くことは避けられません。どんな等身のキャラクターでも、関節や表情、ポージングなどを描く上では人体の基本的な仕組みを理解することはとても重要です。また、武器やアイテムなど小物をデザインするケースも多いので、無機物の光の当たり方や影の落ち方などを表現するためにもデッサンスキルは必須。

繰り返しデッサンを行い、見たものを忠実に描けるスキルを身に着けましょう。

2.グラフィックソフトのスキル

出来上がったイラストをCGにしていく事も多いので、ほとんどのケースではキャラクターデザインはデジタルで描かれます。ソフトは様々ありますが、自分が使いやすいソフトのスキルを身につけることは必須と言えるでしょう。
ペンタブレットか液晶タブレットかで迷う方も多いですが、企業でも自分の使いやすい環境で作業できるケースが多いので、自分にあった環境であればどちらでも問題ありません。

3.想像力・発想力

キャラクターデザイナーは、プロデューサーやプランナーが思い描いたゲームやアニメの世界観を具現化する仕事。「このキャラクターはこんな過去、生い立ちがあるからこんな表情だろう。」「このキャラクターはこんな性格だからこういう服装が似合うだろう。」など設定や文章、キーワードからイメージを広げ、具現化していくスキルが求められます。

ただ、想像力を養うためには何をすればいいの?と思う方も多いかと思います。ヒントは世の中の様々なモノ、コトに興味を持ちインプットを沢山し、知識を増やすこと。例えばファンタジーゲームのキャラクターデザインをするなら、現実の中世ヨーロッパの歴史や文化を知ることで想像力は広がります。

まずは興味がある分野のことを徹底的に調べると良いでしょう。

4.コミュニケーション力

ゲーム会社やアニメ会社のキャラクターデザイナーはフリーランスのイラストレーターのと違い、一つの作品を取り巻くプロジェクトチームの一員として働くため、コミュニケーション力は必須と言えます。就職面接の際にも、一次審査の書類選考で作品(ポートフォリオ)を見られ、二次審査以降の面接試験では主にコミュニケーション力が見られることが多いです。作品に対する想いやどういう経緯で描いたかなど、しっかり相手に伝わるスキルを身につけましょう。

キャラクターデザイナーに資格は必要?

キャラクターデザイナーとして働く場合、特別な資格は必要ありません。また、基本的に学歴も重視されない仕事です。ただし、キャラクターデザインを職業とするうえで、実務に役立つ資格もいくつかあります。

まずは、サーティファイのソフトウェア活用能力認定委員会が主催する「Illustratorクリエイター能力認定試験」と「Photoshopクリエイター能力試験」です。それぞれ、Illustratorを使ったグラフィックの制作能力、Photoshopを使ったデザインの表現能力を認定する内容となっています。

ゲームキャラクターとしても、グラフィックソフトの知識や技術は、実務に欠かせない必要なスキルといえるでしょう。また、キャラクターデザインに活かせる色彩検定、CGクリエイター検定などを取得することによって、デザインに関する見識を広げ、想像力や独創性を深めることができるようになります。

キャラクターデザイナーにはどんな人が向いている?

キャラクターデザイナーに向いているのは、次のようなタイプの人でしょう。

人と協力して何かを作りたい人

一枚のイラストは一人でできますが、ゲームやアニメは一人では作れません。あなたがキャラクターを描いてそれを3DCGにする人がいて、それが動くプログラムを書くプログラマーがいて、それをヒットさせるプロデューサーがいて・・・と、非常に多くの人と関わるお仕事です。そしてそれら関わる人は皆、ゲームやアニメが大好きです。趣味が合う人と話すのが好き、誰かと協力して何かを作るのが好き、という方はこの仕事に向いているかもしれません。

ゲーム・アニメが好きな人

キャラクターデザイナーの仕事の大部分は、ゲームやアニメ業界です。そのため、もともとゲームやアニメが好きな人は、キャラクターデザイナーとしてその業界に携われることに喜びややりがいを感じられるはずです。ゲームやアニメの世界に情熱を持っている方は、キャラクターデザイナーに向いていると言えるでしょう。

人の意見を柔軟に受け入れられる人

キャラクターデザイナーの仕事では、自分が提案したキャラクターにダメ出しをされたり、ボツになって別のキャラクターが採用されたりすることもあるでしょう。そんな場面でも、周囲の意見を受け入れて、良いものを作っていこうと考えられる姿勢が大切です。

キャラクターデザイナーの年収・キャリア・将来性について

キャラクターデザイナーの年収・キャリア・将来性について

キャラクターデザイナーとして、次のようなキャリアステップが一般的です。

1~2年目:見習い(年収300~400万円)

ゲーム会社やアニメ制作会社に就職した当初は、デザイナーのアシスタントとして現場作業の補佐を任される場合が多いでしょう。ゲームやアニメ制作の現場の流れや基本を身につけていきます。

3~5年目:キャラクターデザイナー(年収350~800万円)

やがて現場のプロジェクトメンバーとして配属されるようになります。1つのプロジェクトに2~3年かかる場合も多くあります。

6~10年目:スペシャリストまたはデザイナー(年収500~1000万円)

プロジェクトを2~3本経験すると、やがてスペシャリストやデザイナーとしてみなされるようになるでしょう。現場作業だけでなく、スケジュールや人の管理も担当するようになります。

11年目~:チーフデザイナーまたはアートディレクター(年収800万円~)

プロジェクトで成果を残していけば、さらに管理職としてキャリアアップしていくことが期待できます。しかし管理職に就くより現場業務に専念したい人は、フリーランスとして独立する人も出てくるでしょう。ゲームやアニメ業界は年々盛り上がりを見せており、キャラクターデザインの需要は高まっています。そのためキャラクターデザイナーは、今後も将来性のある仕事と言えます。

キャラクターデザイナーの将来性

キャラクターデザイナーが活躍する分野は、アニメやゲーム、漫画や小説、企業広告など、実に幅広い点が特徴です。今後も多様化・細分化していくエンターテイメント市場の動向にあわせ、キャラクターデザイナーは、さらなる需要が見込まれる職業のひとつといえます。

AIの導入により、キャラクターデザイナーの需要を懸念する声もありますが、独自性や想像力が必要なキャラクターの創作は、AIが苦手とする作業です。この観点からも、ゼロから魅力的なキャラクターを生み出せるキャラクターデザイナーの将来性は、明るいものと推測できます。

キャラクターデザイナーを目指すならこのコース

キャラクターデザイナーを目指すなら、バンタンゲームアカデミーの以下のコースがおすすめです。実践的なカリキュラムで、ゲーム業界から求められるキャラクターデザイナーを目指しましょう。

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