学内から選抜された精鋭たちによる「ヒーローズセレクション」~企業の方への作品プレゼン2日目

東京校
ゲーム学部

「ヒーローズセレクション」は、事前に行われた学内選抜大会で選ばれた優秀者たちが企業の方々を前にして行う発表会!

 

今回参加してくださった企業は以下の方々です。(敬称略・順不同)

株式会社キャメロット
株式会社Colorful Palette
アクチュアル・ブレーン株式会社
株式会社ランド・ホー
株式会社アクセスゲームズ
株式会社キャラバンズ
exsa株式会社
株式会社ヘッドロック
株式会社ジェットスタジオ
株式会社スリーリングス
株式会社サイバーコネクトツー
株式会社エイティング
株式会社カプコン
株式会社セガ
株式会社サクセス
株式会社アトラス

 

今回発表を行ったのは、25年卒業予定であり、これから就職活動が本格化するメンバー(生徒)たち。この場で企業側に関心を持っていただければ、説明会など就職関連のイベントに限定招待されたり、企業側から学校を通して本人に連絡が来ることもあり、内定チャンスにつながります。

企業へのアピールの場でもあるこのイベントで、発表者たちは自己紹介とともに希望職種への意気込みを語り、それぞれが手塩にかけた作品を発表します。

 

2/29(日)の2日目は3Dデザイナー部門、プログラマー部門による発表です。

■3Dデザイナー部門の発表

  • 2年制3DCGクリエイター専攻 1年生  森颯也さん

森さんは映像業界の3Dアニメーターを志望です。

ニューヨークの街中で、車の前に立ち邪魔をする「迷惑な人」、男勝りな中学生のヒロインが同級生の男の子とジュースをかけあう「じゃんけんグリコ」などストーリー性のある複数の作品を発表。

そして、数時間で作成したというシンプルな作品も紹介しました。テレビで野球を見ている人が敵チームにホームランを打たれたときの悔しさを表現した「台パン」、またサッカーのカウンターの動きを取り入れた「走り」などです。

資料ではストーリーとポイント、映像のシーンが静止画で画面に映し出される形で企業の方々の前で解説しながら、進行していきました。

人体の動きが表現された作品はモーションをトレースして作ったそうですが、とある企業の方からは「ちゃんとトレースできていることを確認したいのですが、比較がないから確認できない」という指摘も。

それに対し、森さんは「私はモーションより映像を見てほしくて、このようにしました」と回答。そのうえで、企業の方より「作ったものをどう見てもらいたいか考え、工夫してください」といったアドバイスもいただきました。

最後に森さんは「好きな作品を分析するのが楽しく、分析したものを反映できる3Dアニメーターを目指していきたいです」とアピールして、締めくくられました。

森さんは、大学時代にはメディア工学科に所属。そこではCGアート作品の研究の中で、それらがいかに社会的に生かせるかに焦点が当てられていたといい、基礎を学んだり技術的なことを学んだりしたくてバンタンに入学した、と語ってくれました。

 

  • 2年制CGアニメーター専攻 1年生  佐々倉悠さん

モーションデザイナーを志す佐々倉さんは、精巧な作品を自分で作れるような人を目指しているということです。

佐々倉さんは動きを見せる形で作品を紹介。

箱を持ち上げる動きを描いた「Lifting」、人が放物線を描くように障害物を飛び越える「Laser Beam」、人が立ち上がる動きを表現した「Stand up」といった作品を披露しました。

なかでも「Laser Beam」は、アニメーションのリファレンスをトレースする形で制作しましたが、元となるリファレンス動画が物理法則に基づいていなかったため、放物線を描く動きへと改良したそうです。

これは授業中に教わったことを取り入れたようで、発表のあとに本人に尋ねてみると、「単なるトレースでも常に疑いの目を持ってやっているということをアピールしたかった」と語ってくれました。

そして、志望する業界については、「アニメ業界で映像技術を生かせるところで働きたいです」とコメント。

佐々倉さんは大学4年の頃からBlender”というソフトを使って独学で学び、CGを仕事にするにあたって、自信をつけるためにバンタンへ入学したそうです。発表中には「学ぶことへの抵抗がなく、探求心を持って取り組める」ということも併せてアピールしていました。

 

  • 3年制ゲームグラフィッカー専攻 2年生  椙山さくらさん

椙山さんはゲーム業界でエフェクトデザイナーを志望しています。

発表にあたっては、個人制作、チーム制作ともにワークフローを明示して発表するとともに、資料集めやラフ作成に時間をかけ、その後の作業をスムーズに進められるようにしているそうです。

エフェクト作成時の手書きのラフや、フォント作成の意図なども併せて紹介。

そして、エフェクトには「鉱石魔法」「蜘糸堕獄」「光芒一閃」といった漢字のタイトルを用いており、椙山さんによれば「漢字を使うと、どんな場面で使われているのかわかりやすく、愛着を持てる」と話します。

企業の方からの質問タイムでは、志望職種について尋ねられると「少し前までモーションとも迷っていました」と話すと、とある企業の方からは「エフェクトは需要がありそうなので狙い目なのかも。モーションもできるとなると、かゆいところもやってくれるのでは、という期待が持てる」とのコメントをいただきました。

また「光芒一閃」のエフェクトについては「黄色一辺倒で眩しすぎると思う」という意見もあり、「私もそう感じるところはあった」と椙山さん。日ごろからさまざまなイベント、インターンにも参加し、アドバイスを取り入れていることも、発表中にアピールしていました。

「発表はできるだけゆっくり話すことを意識しましたが、少し速かったかな、という反省点はありました。でも、言いたいことは言えました」とのことで、「現在はUnity一本ですが、Unreal Engineなどを利用して幅を広げたい」と今後の目標を語ってくれました。

■プログラマー部門の発表

  • 高等部ゲームプログラマー専攻 2年生 関根正秀さん

関根さんはゲームが好きで「ゲームを作ることには興味ないの?」とお父さんから言われたことが、プログラミングを学ぶきっかけになったのだそうです。プログラミングは2年前から始め、言語としては主にC#で、Unityを使ってゲーム制作を行っています。

制作したのは「Guid」というパズルゲームで、とくに関根さんが自分なりに工夫した点を中心にアピールしていました。

中身については「自分なりにルールを作ったり、見た目をアレンジしたりした」「このキャラは、この移動ができない、というように、キャラクター自身に移動制限をする、といった個性を持たせた」など。

見た目に関しても、「幽霊がいる夜の雰囲気を出したかった」「幽霊をクリックすると強い光を発するようにした」「プレイヤー側にさまざまな情報を与えるようにした」などありました。

最後に「ゲームを制作してみて普段以上に楽しくできたが、もっと自分なりのアレンジを加えた制作をしていきたい」と話し、発表を締めくくりました。

 

  • 高等部ゲームプログラマー専攻 2年生 川口真空さん

次に川口さんの発表。これまではキーボード・マウスのゲームしか作ってこなかったそうですが、新しいことへの挑戦、という意味を込めて、今回はゲームパッドでプレイできるゲームを制作したそうです。

川口さんが制作したのは「Abandoned Prison Break」というキャラクターアクションゲーム。使用言語はC#で、そしてゲームエンジンはUnityを使って制作。パッドの実装やキャラクターのアクションの変化に力を入れたと話します。

また、見た目で工夫した点としてはPost processing(後処理)の有り無しについて、それぞれの画面を示して話し、その雰囲気としては、重くて寒い感じ、放棄されて掃除されていない施設をイメージして作ったそうです。

発表のまとめとしては「一貫した見た目、演出をこだわることができた」「今後ゲームをストリーム配信ができるまでに仕上げていきたい」と目標を述べました。発表の中では、これまでに制作した作品のスクリーンショットも示していました。

その後の質問タイムでは、企業側からゲームの演出に関するアドバイスが伝えられ、「現場の人の意見なので説得力があった」と語ってくれました。

川口さんは当初はプランナーを目指してバンタンに入学。学校で習う中で、自分で思い描いたものを動かすのが楽しいと思ったことから、プログラマー専攻へシフトしたとのこと。進路については、「今のところ進学6割、就職4割で考えている」ということです。

一方で、関根さんは就職をメインで考えており、「就活では大卒や専門卒と同じ土俵で戦うことになるので、ここでアピールしたい」と話してくれました。

 

このように「ヒーローズセレクション」は選ばれた優秀者たちが、全員がスーツに身を包み緊張感の中で、企業の方々を前に発表するという貴重な機会です。経験した学生たちは、意見を取り入れ、作品や技術にさらに磨きがかかるでしょう。

 

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