学内から選抜された精鋭たちによる「ヒーローズセレクション」~企業の方への作品プレゼン1日目

東京校
ゲーム学部

「ヒーローズセレクション」とは、バンタン学内選抜大会で選ばれた優秀者たちが大手ゲーム企業の方々を前にして行う作品プレゼン会です。

 

今回参加してくださった企業は以下の方々です。(敬称略・順不同)

株式会社Colorful Palette
株式会社エイティング
アクチュアル・ブレーン株式会社
株式会社gumi
株式会社イザナギゲームズ
株式会社キャラバンズ
G2 Studios株式会社
株式会社キャメロット
株式会社サイバーコネクトツー
株式会社スパイク・チュンソフト
株式会社サクセス
株式会社ランド・ホー
株式会社アトラス
株式会社アクセスゲームズ

 

発表を行ったのは、20253月に卒業予定のこれから就職活動が本格化するメンバーたち。

この場で企業側に関心を持っていただければ、説明会など就職関連のイベントに限定招待され、内定チャンスにつながります。

 

企業への大切なアピールの場であるこのイベントで、発表者たちは自己紹介とともに希望職種への意気込みを語り、それぞれが手塩にかけた作品を発表します。

■2Dデザイナー部門の発表

 

  • 高等部3年制キャラクターデザイナー専攻2年生 江﨑美緒さん

江﨑さんの志望職種はUIデザイナー。

「集中力とこだわりを生かし、ユーザーの方にとって快適なUIデザインをしたいです」と語ります。

子ども向けのオープンワールドアクションとして制作した「ほしのクラウン」。

ゲーム画面はメニューなどを最小限の表示にとどめるなど、時間をかけてUIデザインを熟考したとのこと。江﨑さん曰く、情報の整理や取捨選択が得意だそうで「講師の方にアドバイスをもらったり、子ども向けのゲームをプレイしたりして制作しました」。

そしてもう1つは、ゲーム画面風のイラストの制作。

この作品は2年次の学年末審査会で敢闘賞を受賞した作品で、麻雀パイの絵柄の服を着た男たちがずらりと並んでいる奇抜なイラスト。

 

「麻雀はルールが複雑で敷居が高そう、という偏見をなくすために制作しました。」

企業側からの質問の中では、UIデザインを志望するきっかけを尋ねられるなど、面接のような雰囲気もありましたが、終了後にお話を伺ってみると、「発表する前は緊張していて、8割くらい言えればいいよ」と心の中で唱えていたそうです。

 

麻雀パイはイラスト企業の方からも「面白い!」という声が上がっていましたが、「最近の麻雀ゲームでは美少女が絡む作品が多く、強そうな男ではダメなのかと思って描きました」

「誰かにウケればいいなと思って描きましたが、予想以上の反応でした」と語り、友人たちからも好評だったようです。

 

  • 専門部2年制キャラクターデザイナー専攻 1年生 熊岡映奈さん

熊岡さんは「チームのメンバーの支えになるデザイナーを目指したい」と語り、「キャラクターデザイン、3D、モーションなど一通りできるので、ヘルプにも回れる強みがあります」と企業の方々を前にして自らをアピール。

1つ目は「推しが尊い」をテーマに4ヶ月かけて作った作品。

キャラクターとしては男性4人組のアイドルが描かれ、キービジュアルではライブ感を出すようにしたと言い、プレゼン資料の中では見せ方やエフェクト、UIなど、工夫した点をわかりやすく示していました。

 

そして筋肉が好きで、人体クロッキーを行っているという熊岡さん。「SD character」というタイトルで、アイドルのミニキャラには筋肉が描かれており、「珍しくて面白い」と、企業の方からの評価も。

「筋肉を見た瞬間、どんなアスリートなのかわかるようなところを目指している」と言い、それが熊岡さん自身の伸びしろだと語りました。そして「デッサンスケッチでは見るのを7割、描くのを3割、と観察眼を意識しています」。

 

そのように自己分析したことを交えてアピールする熊岡さんに対して、企業の方からは「自分の強みについて、他人からの印象は異なるものなので、周りの人に評価を聞いてみては?」といったアドバイスも。

キャラクターそのものについては「日本人テイストではないので、ニーズに合わないところが出てきてしまうこともあると思います」という意見もありました。

 

そのような指摘について、熊岡さんにお話を伺ってみると「中国や韓国のゲームが日本に入ってきているので、将来につながると思う」。日本人好みでないと言われた点については、「その方面も伸ばしていきたい」と話しました。

熊岡さんは他の専門学校を出て実際に現場で働いていたそうですが、その後バンタンで学び直すことに。仕事を始めてみると「作品に対してあまり深掘りできない」と感じていた中で、再び学校に通い始めるようになったそうです。

 

「バンタンでは現役で働いている先生が教えてくださるので、より実践的。仕事にもつながれば、と思ってバンタンを選びました」とコメントしてくれました。

 

■プランナー部門の発表

そして後半はプランナー部門の発表です。こちらは発表直前にインタビューを行いました。

 

  • 3年制ゲームプログラマー専攻 2年生 髙橋拓倖さん

「表彰されるようなことは今回が初めて」と話し、この日のヒーローズセレクションに選ばれて臨む髙橋さん。プランナー部門の発表の一番手となります。

 

そんな中で「質問をどう返せば良いのか定まっていないので、ちょっと不安です」とコメント。ゲーム会社の中ではディベロッパー志望で、コンシューマーゲームやスマホゲームのどちらも希望している、とのこと。

 

ゲーム業界を志す理由としては「つまずいたときに支えてくれた存在がゲームでした」「新しいものを作り、感動と喜びを与えるゲームを作りたい」と話します。

個人企画案としては「BOUND ATTACKER」というゲームを発表。

 

「コマンド入力が苦手」という意見が載った記事を見たことがきっかけで、自身も格闘ゲームのコマンド操作に苦手意識があったことで共感し、そのような人でも楽しめる格闘シューティングゲームを考え出したのだと言います。

 

このゲームは11で戦いますが、タイムラグなく戦う殴り合いとは異なり、半無重力状態の中でカラーボールを用いて戦うことで、ボールを打ち返している間に駆け引きの時間が生じるというものです。

残りHPの表示は、戦うキャラクターの色の染まり具合によって表現することにより、HP表示を画面内に置くことができてわかりやすくなるという工夫もされています。

プレゼン資料のカラフルな色合いは洋服が好きなことから、その感覚を取り入れたそうです。また、授業の一環としてのチーム制作では企画案、発注書、パラメーターなどを担当。個人作品としてはUnityを用いた「ゆうしゃものがたり」というゲームを、現在もなお制作中だそうです。

 

髙橋さんがゲーム制作で目指していることは「新しいものに出会ったときのわくわく感を届けられるように」「世界観を見たときに「おー!」と驚かれるものを届けたい」といったことだそうで、そのようなコメントに対して、企業の方からは具体的な内容を引き出す質問が飛び出しました。

「作品を手にとってもらうための、今までにない体験とはどんなもの?」「新しい体験への仕掛けに対するイメージは?」といった内容でしたが、それがうまくまとまらないという一面も。

 

ヒーローズセレクションは複数の企業との合同面接のような雰囲気もあり、ここで上手に答えられなかったとしたら、今後の就職面接へ向けて修正できる良い機会ではないでしょうか。

 

  • 3年制プログラマー専攻 2年生 谷川昴志郎さん

谷川さんはプログラマー専攻ですが、職種としてはプランナー志望。

1年生ではプログラミングを学び、2年生からはプランナーを目指した授業を中心に受けています。

 

ゲームの世界観を創るストーリー的なプランナーにも関心はあると言いますが、どちらかと言えば、システムの設計としてのプランナーの方向で考えている、とのことです。

冒頭の自己紹介の中では「未知にとことん挑戦する」と長所をしっかりとアピール。

谷川さんが企画した「VS Rogue(ブイエスローグ)」のコンセプトは「人狼×マルチプレイホラーアクションで最大級の恐怖を体験」というもの。

パーティーの中には裏切り者(ローグ)が混じっていますが、冒険者たちは裏切りに注意をしてお宝を入手し、脱出口を目指します。1ゲーム2030分を想定しており、周回性があるゲームです。

 

発表を終えたあとの質問タイムでは、ゲームに対して「4人に1人が人狼とすると、人狼ゲームにしては少なめではないですか?」などと、ゲームの内容に関する質問がいくつか投げかけられました。

長時間にわたって行われたヒーローズセレクション。ここで紹介した方はほんの一部で、ここでなにか手応えを掴んだメンバーもいれば、今後本格化する就職活動へ向けてのヒントが得られたという方もいるのではないかと思います。

 

ご参加いただいた企業の皆様、ありがとうございました!

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