23.05.24 23.05.25 更新

【東京校】クラスター株式会社 取締役COO 成田暁彦様をお招きして。 知っているようで知らない「メタバース市場」とは?特別講演会をレポート。

東京校
ゲーム学部

ゲームアカデミーでは、在学中から業界の最前線で活躍するプロフェッショナルによる講演会を実施しています。

今回のテーマは、「メタバース」。国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社より、取締役COO成田暁彦様をお招きしました。

to Cの「プラットフォーム事業」、to Bの「エンタープライズ事業」を手掛けています。

□メタバースとは、「インターネット」×「3D」×「身体性」

成田暁彦様(以下、同)「メタバースプラットフォーム『cluster』は、幅広い層につかっていただいています。メタバースとは、インターネット上の『3D空間』に、アバターという『身体性』を持ち込んだものです。世の中では、メタバースにはVRNFT(非代替性トークン)が必須だといわれますが、我々は必要ないと考えています」。

クラスター株式会社様によれば、メタバースを構成する主な要素は下記の通り。

  • 永続的に存在する
  • リアルタイム性がある
  • 同時参加人数に制限がない
  • 体験に垣根がない
  • 経済性がある
  • 幅広い企業がプラットフォームを開発でき、個人による貢献がある
  • 自己組織化(空間がより良くなるようコミュニケーションを取り、自浄作用があるという意味)

□メタバースは、デバイス、プラットフォーム、コンテンツの3層構造!>
「メタバースは3層構造になっています。まず、デバイス(インターフェイス)があり、その上に、空間(プラットフォーム)、そしてゲームやイベントなど体験(コンテンツ)があります」

――― 日本で話題なのは、なぜ?

「コンテンツが活況だからです。国内にも、VRコンテンツやライブ配信など、複数のプレイヤーが存在します。ここで大事なのは、3D空間を自由に動き回れ、他ユーザーとコミュニケーションができる『3D×ソーシャル』の側面と、YouTubeのように、ユーザーがコンテンツをつくるコンテンツを『UGC』の側面があること。世界のプラットフォームは、『3D×ソーシャル』×『UGC』の両方を備えるものが主流となっています」

――― 注目は?

2021年にIPOをしたROBLOXは好調です。『Roblox』、『ZEPETO』などのプラットフォームを運営していて、ユーザーがコンテンツを投稿できます。同企業のサービスは月に3億人、デイリーでは約5000万人が使っています。特に13歳以下の比率が高く、54%を超えています。また、アメリカの16歳未満の子どものうち、半数以上がROBLOXをプレイしていて、YouTubeNetflixよりもプレイ時間が長いといわれています」

他にも、「FORTNITE」の2019年スキン(コスチューム)売上は約42億ドル(約4600億円)。さらに、clusterが主催する「アバターマーケット2022年」の一人当たりの平均購入額は約4500円、2023年は5000円を超えるというデータを紹介し、「デジタルアイテムの価値と、現実商品が等価値になりつつあります。また、10年後はインターネット時間と、現実の主従関係が逆転するかもしれません」。

 

□メタバースは、「ストック」×「リアルタイム」の両面を持つ>

「メタバースは、ストック型のコンテンツです。主な体験として、コンテンツを見てコメントを残したり、『いいね』を送ったりします。サービスコンテンツはひとつではなく、ワールド/イベント/ゲームに参加します。また、リアルタイム型のコンテンツでリアルタイムコミュニケーションが楽しめることも特徴です」と解説しました。

講演会終了後は、参加者からもたくさんの質問がよせられました。

――― メタバースは当たり前になりますか?

「ポケベルから、ガラケー、スマートフォンと進化していきました。人は、一度便利になったら、あえて不便を選択しません。今、1日の多くをメタバース(インターネット)時間に投下している人たちは、1サービスで約1.5億人存在しています。そうしたユーザーが、いずれ20歳を超えて、ビジネスや社会をつくっていきます。

メタバースは、皆さんが思っているよりも投機的、短期的なものではありません。長い目で主になるような世界線の事業体である、と理解してください。メタバース業界を目指すなら、3年後、5年後ではなく 10年後市場の中心にいたい人に向いているのではないかなと思います。一緒にお仕事できる日を楽しみにしています!」と、締めくくりました。業界についてさらに理解を深めたい人は、クラスター株式会社 代表取締役COO加藤直人様による著書『メタバース さよならアトムの時代』(集英社)も、ご参考ください。

在学中から、業界最前線のプロフェッショナルが講演してくださるのも、ゲームアカデミーの魅力です。

 

ここからは人事部採用担当の森様からお話をいただきました。

メタバース業界に行くために必要=自分の市場価値を高めること

メタバース業界に行くために必要なことは結論「自分の市場価値を高めること」です。

――― そもそも価値とは?

評価軸によって変化するもの。「Nintendo Switch」と「PlayStation5」との比較を例に価値の違いについての解説をしました。「価格」で評価する場合と「売上台数」で評価する場合で「どちらの価値が高いのか」という結論は変化します。

受験や就職活動においてもこの評価による価値の変化が存在し、「クラスター株式会社」に入社する場合も評価の軸が存在します。

―――では何で評価されるのか?

  • スキル
  • ポテンシャル
  • カルチャーフィット

以上の3点で評価しています。

  • に関しては、職種ごとの専門スキルに加え、ビジネスパーソンとしてのスキルを求めます。専門のスキルは、職種ごとに求められるものが変化し、ビジネスパーソンとしてのスキルには、コミュニケーション力や思考力などが挙げられます。
  • は「成功体験×再現性の高さ」によって量られます。

成功体験とは、「過去の経験で何を成し遂げたのか」で、その人が何をモチベーションにしてどのような目標を立てるのかを量る指標にしています。失敗を振り返る人は多いですが、再現性を高めるためには成功も振り返ってみると良いと思います。

  • MVVMission/Vision/Value」やカルチャーとマッチするかどうかです。

会社ごとにMVVやカルチャーは変化するため、スキルの高さが満足なものでも採用を見送る場合はあります。

―――今できることは何か?

「スキル」を伸ばすには、まずは目の前のことに本気に取り組んでください。勉強でもスポーツでもゲームでも何でも良いので、目標を立てそれに向かって行動することがスキルを伸ばす鍵になります。

「ポテンシャル」を伸ばすには、沢山成功体験を積んで、成功した要因を振り返ってください。何事にも挑戦するとより良いです。

「カルチャーフィット」に関しては、無理に会社に合わせるというよりは、自分の好きなもの、サービス、コンテンツに沢山触れてみてください。自分の好きなものに対して高い熱量で語ることができるようになり、面接などで活きてきます。

 

<クラスター株式会社 取締役COO 成田暁彦様 PROFILE

2008年 株式会社サイバーエージェント入社

2009年~13年 子会社立ち上げ営業責任者

2013年~19年 Cyber Z(サイバーエージェント100%子会社)営業統括、海外支社長、マーケ責任者

201910月より クラスター株式会社

 

<クラスター株式会社 人事部 新卒採用担当 森裕章様 PROFILE

20017年 株式会社MJE入社2018年~19年 東京支社新卒採用責任者

2019 年~22年 グリー株式会社入社

2019年~22年 エンジニア/ビジネス職採用担当

2022年11月より クラスター株式会社

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