こんにちは、バンタンゲームアカデミー東京校です(^0^)
本日の講師は、『ポケットモンスター』『龍が如く』『FINAL FANTASY』等のシリーズタイトルや、
『Happy Wars』『無限航路』『AVキング』等のオリジナルタイトルの開発に携わり、現在は某社で新規AAAタイトルを手掛けている貫田将文氏。
「キャリアのスタートはデバッガーのアルバイトです。その後、さまざまなジャンル・規模のタイトルに、さまざまなポジションから携わってきました。
本日はゲーム開発の基礎的な部分から少し踏み込んだ部分まで、約16年のキャリアの中で気づいた様々なことをお話ししたいと思います」
<ゲームをつくる職種とは?>
職種は、大きく4種類に分類できます。
- プランナー(ゲームの企画立案/仕様設計、シナリオ部分などを担当する人たち)
- プログラマー/エンジニア/リサーチャー(ゲームの技術/環境開発部分を担当する人たち)
- デザイナー(ゲームの美術部分を担当する人たち)
- サウンドデザイナー(ゲームの音楽部分を担当する人たち)
そしてこれらの4職種も会社やプロジェクトの規模等によって、更に細分化されていきます。
例えば私自身、プランナーという職種において、ゲームシステム設計やレベルデザイン、UI設計、シナリオ・演出ほか、複数の分野を担当してきました。
また先に挙げた4職種の他にも、プロジェクトマネージャーやローカライズ担当、広報担当などの他職種を含めて考えると、大変多くの方々がひとつのゲームに携わっています。
<ゲーム制作の各フェーズについて!>
「企画立案→プリプロダクション→α版→β版→調整→デバッグ→マスターアップ→アップデート/DLC制作」、これらが大まかな流れとなります。
企画立案の段階で重要なのは、『お客様にどんな体験をさせたいのか(どのようなゲーム体験を提供するのか)』という点です。
プリプロダクションの段階では、少人数かつコアメンバーでゲームの核が体験できる『プロトタイプ版』や各パートの『企画書/仕様書』、世界観を表現した『コンセプトアート』などを作成します。
そうしてα版からβ版の制作を経て、ひと通りのデータを実装していきます。その後、調整作業と並行しながらバグを修正し、ハードメーカーの検収を通れば……ようやく完成(マスターアップ)です!」
<ゲーム制作を仕事にするってどういうこと?>
例えば大作と呼ばれるゲームになると、数十億……時には百億円を超える開発費が必要な時代です。
それだけの莫大なお金と、数百人単位の人々と、数年単位の時間を費やし、時にはスタッフひとりひとりが命を削ってまでも、ゲーム制作を続ける理由……
それはやっぱり、ゲームづくりが楽しいから!
でも、ちょっと待ってください。確かにゲーム制作を生業にする醍醐味はそこに集約されるはずですが……」
<自分は、どんな体験をお客様に届けたいのか? お客様は、なぜ自分がつくるゲームを遊んでくださるのか?>
「これらの問いについて考えに考え抜き、答えを見つけてみてください。
近い将来に皆さんがゲームを作る際、先ほどの問いに自分なりの答えを持っているだけで、ゲームを完成させるまでの道程がずっと明確になるはずです。
もし壁にぶつかることがあったら、今日の講演のことを思い出して欲しいなと思います」 と締めくくりました!
<学生たちから、質疑応答!>
——— これは遊ぶべきだというタイトルはありますか?
「ここ約一年の間にリリースされたタイトルですと、PlayStation®4の『Detroit: Become Human』、『Marvel’s Spider-Man』、『ゴッド・オブ・ウォー』などですね」
——— ゲーム分析のポイントは?
「ひとつは客観的にゲームの核となる要素をみつけること。そして、具体的なシステムなどがどうつくられているかをデータとして理解することです。
例えば実際にゲームを遊んでみた上で、そのフロー(ゲームの流れ)やパラメータなどを、自分の頭で考えながら仕様書としてまとめてみると、相当に分析力や、仕様作成能力が鍛えられるはずです」
——— 年収はどれくらいですか?
「最もいただいていたときで900万円程度です。会社やポジションによって千差万別ですが、中には20代の方々でも更に高収入を得ている方もいらっしゃいます。もちろん、その逆もまた然りですが……」
—— アルバイトから正社員になられたということですが、アルバイトからのキャリアアップも可能なのでしょうか?
「最初の会社はアルバイトでしたが、転職した次の会社で正社員として採用されました。アルバイトでも経験を積めば、社内での試験や審査を経て社員になれるというフローを採られている企業様もあれば、アルバイトはあくまでもアルバイトのポジションであるというスタンスの企業様もあるのでケースバイケースですね」
——— 現場でチームメイトとコミュニケーションを取るときに気をつけていることは?
「成果物に対してオーダーを満たしていなかったり、目標に達していなかったりすることを伝えるとき、あくまで成果物のクオリティの話をしているだけで、当事者の人格を否定しているわけではないことを明確にするように心がけています」
—— ゲーム制作者に求められる能力とは?
「5つの能力が必要だと考えています。まずは0を1にする考える力、頭の中のアイデアやネタを実際にデータとして形にする力、そして意図や仕様を他者に伝え理解させる伝える力、そして現場をつなぐまとめる力、そして現場を率いる導く力ですね」
……さらに、ココではご紹介しきれないほどたくさんの質問があがりました! 質問の多さからも、受講生たちの熱意が伝わってきますね!
貫田講師、ゲーム業界を生き抜く上での数々の基礎知識や重要な問いかけをいただき、ありがとうございました!!