19.12.20 22.04.14 更新

世界のeスポーツ産業トップランナーが集結!eスポーツビジネスカンファレンス「ESCONF TOKYO」開催。【前編】

東京校
大阪校
ゲーム学部
eスポーツ学部

 

2019年12月11日、ザ ストリングス表参道にてバンタンが主催するeスポーツビジネスカンファレンス「ESCONF TOKYO」が開催されました。

当日はeスポーツにチャンスを見出したいと考えるビジネスマン、またメディア関係者が参加。注目度の高さがうかがえました。

 

代表・石川広己「ESCONF TOKYO は今回が第一回目となります。パルコさん、ibMEDIAさんのご協力のもとグローバルの中eスポーツの現状を把握し、今後どのような方向に進むべきか、またどのような課題があり解決していくのかをお話いただきます。

2018年は日本におけるeスポーツ元年と言われ、市場規模も50億から60億に育ってきたと言われています。しかし、世界でみると市場は1000億を超えています。

継続的に発展していくためには、人材教育が必要不可欠です。我々は教育的視点から支えていきたいと思っております」と開会のご挨拶を行いました。

 

2.jpg

 

各登壇者のプレゼンテーションのダイジェストを前・後編に分けてお届けします。

 

 

<アジアのeスポーツと世界におけるその意義>

Niko Partners(ニコ・パートナーズ) 創設者/マネージングパートナー/リサ・コスマス・ハンセン氏

 

3.jpg

 

リサ・ハンセン氏「ニコパートナーズはマーケットリサーチファームです。私の会社が分析したアジアでのデータをお見せしましょう。7,346,674。これは、2018年に行われたHonor of Kings champion cup のピーク時のビューワーです。凄い数ですよね」

 

中国と東南アジア7カ国(インドネシア、マレーシア、ベトナム等)のデータも紹介し「中国では5000を超えるeスポーツチームがあり、10万人のeスポーツプレイヤーが中国単体で存在しています。

 

また2018年にはPC eスポーツ による市場規模63億ドルが、2020年には95億ドルになると考えられています」と解説。またどのエリアにおいても顕著なのが、「PCゲームよりもモバイルゲームでの収益の方が上がっている」という点。

 

「日本は中国、アメリカについで3番目に大きな市場です。2017年に3.4ミリオンドルの市場が、2022年には90.8ミリオンドルになると予想されています。

任天堂、カプコンといったパブリッシャーだけでなくバンタンもキーになります。eスポーツはグローバルな視聴者に支えられている世界的な現象です。若いプレイヤーは、プレイヤーがどの国出身か?は気にしません。世界に平和を広める手段としてもいいでしょう」とまとめました。

 

 

<日本のeスポーツ業界で”成功”を収めるには>

株式会社グルーブシンク / 代表取締役 / 松井悠氏

 

4.jpg

 

「業界歴は24年、今年で40歳になります。『ゲーム好きなのでゲームを作ること以外、なんでもやるよ』が僕のポリシーです。Unityのマーケティングのお手伝い、コール オブ デューティの日本トーナメント運営、福島の震災復興を目的としたゲームジャム開催などをやっています。

 

さてeスポーツの定義は、『デジタルゲームカルチャーのうち競技にフォーカスしたもの』です。eスポーツにはデベロッパーがいて、パブリッシャー(権利者)、プレイヤーとオーディエンスがいます。『権利者がいる』というのが特徴です。そもそもeスポーツで何をしたいのか。

元々のビジネスリソースと合わせて何ができるか?を考えればおのずと答えは出ます。『eスポーツはあなたのゴールに到達するためのツールだ』と考えましょう」

 

また、ランドスケープも紹介。「法人格を取っているeスポーツチーム、専門学校、メディア、スポンサーも増えました。

どこに参入し、何を成功とするのかを考えて!ランドスケープを参考にすれば、空いている所、混んでいる所が見えます。私見ですが、まだ入る隙は余裕であります」質疑応答では……

 

Q.選手を育てるときに、ゲームの練習以外に必要なことは?

「自分のプレイに対する振り返りを行うこと。eスポーツは再起不能によるダメージを受けることはないが、何時間もプレイすると体に害をきたすでしょう。なので、自分の体と対話しながらしていくことが必要」とアドバイス。

 

 

 

<eスポーツ業界で働くということ ~企業側・社員側からの視点~>

Epulze(イーポルズ)/ 共同創設者/CMO / ポンテュス・ロブグレン氏

Epulze(イーポルズ)/ キャスター・コンテンツクリエイター / リチャード・ガルシア氏

 

6.jpg

 

5.jpg

 

「Epulze社は兄とたちあげた会社です。私たちはスタジオを持っていてトーナメントのブロードキャスティングを複数の言語で行っています。

広告収入の他にも、オフラインイベントを開催するなど、プロプレイヤー、オーディエンス、ストリーマー、インフルエンサーにもコネクションがありプラットフォームそのものが収益源となっています。また、コンテンツプロダクションでもありeスポーツのマーケティングエージェントでもあります」

 

同社でフルタイムのキャスター(実況者)として働くリチャードは「入社前はアマチュアリーグの実況やキャスティングにも携わっていた。

ただしアメリカでは収入や社会保障の面でフリーランスのキャスターは難しいと感じていたがEpulze社に仕事のオファーをいただきフルタイムで実況を行っています。ライブストリーミング、オンライン、ソーシャルメディアなどを通じて若い世代にリーチできるeスポーツ業界は成長産業でありとても刺激的」と力を込めます。

 

 

<世界におけるeスポーツの発展~次の100年の基盤づくり>

Ultimate Media Venture(アルティメイト・メディア・ベンチャー) / CEO / ブルーノ・サントス氏>

 

7.jpg

 

「eスポーツは経済ベースのゲームです。各国の経済性状勢によって市場やオーディエンスの作り方は異なります。

皆さんには日本の状況は遅れて見えますか?私は素晴らしい成長が見込めると期待しています」と、ポジティブなメッセージを発信したブルーノ氏。

参加者との対話を重視し、多くの質疑応答を受け付けました。

 

Q.eスポーツ発展のための具体的なアドバイスは?

「日本は、最低でも年間15回はeスポーツのトーナメントを行わなくてはいけない」

 

Q.チームにはどのようなスタッフがいるのか。最高クラブがどのように機能しているか知りたい。

「コーチ、アナリスト、マネージャーがいます。コーチはプレイヤーを指導し、アナリストは他チームの情報分析を行いレポートを作成します。

また、セラピストや心理学者はプレイヤーに落ち着きを維持させるかなどを指導します。また、自社にリーガルチームもあります」

 

Q.一流チームはどのようにメンバーを補充しているのか

いいプレイヤーで、かつ他の人たちと上手くやっていける人を見つけるのは大変です。教育にも時間がかかる。だからこそ大規模にそうした人たちを育てることが大切です。

 

Q.プロフェッショナルプレイヤーは日々どのように動いている?

「スポーツ選手と変わりません。スケジュールにそって戦術分析や襲撃練習をします。プロになるには、約1万時間を注がないといけないと言われていて1時間8〜9時間練習しています」

 

Q.eスポーツプレイヤーのセカンドキャリアとは?

「アナリスト、コーチ、キャスター、チームデベロッパーなどになれる」

 

【後編へ続きます】

 

シェアする